食品サンプルというものがあるが、あれはいつ見てもすごい。
実物そっくりに、いや、実物以上のおいしさで、
食品を表現しているのだ。
見た目がどう見ても食べ物だし、その食べ物の魅力を、
あますところなく造形に反映させている。
湯気が立ち上り、そのまま口に入れてしまえそうな、
そんなものばかりなのだ。
実際は蝋でできており、もちろん食べることなどできない。
色合いも、顔料などで再現しているだけに過ぎない。
それなのに、あそこまで質感たっぷりに造ることができるというのは、
まさしく職人芸といったところだろう。
食品サンプルは、日本独自の文化である、と聞いたこともある。
手先が器用で、こだわりが深い日本人ならでは、
という気がして、すごく納得できた。
あれが店先に並んでいると、どれを食べようか、目移りしてしまう。
また、あんな風に料理を作れるようになりたい、
という気持ちも湧いてくる。
携帯ストラップなどでも、食品サンプルというか、
料理を再現した小物があったりするが、その出来も素晴らしい。
一種の伝統工芸のようなもの、と考えてしまっても、
何ら問題ないだろう。
あの食品サンプルがこれでもかと並ぶ、デパートなどの
飲食フロアは、一周するだけでも楽しいものだ。